1 はじめに

階層的線形モデルは,集団単位で集められたデータや個人内反復測定データなど観測値相互の独立性が確保できないようなデータを分析するのに極めて有用な統計モデルである。 これまで,階層的線形モデルを用いてデータの分析を行うことのできるソフトウェアがいくつか提供されてきた。

今回は,そうしたソフトウェアのうち最もポピュラーなものとして,S. W. Raudenbushらによって開発されたHLM6のstudent editionを用いて,実際のデータを用いたデータ解析の実習を行う。 また,それ以外に利用できるパッケージとして,SAS/STATのMIXEDプロシジャ,およびフリーの統計解析パッケージとして最近注目されているRを用いた解析例を簡単に紹介する。