JASPとは

JASP (Jeffreys's Amazing Statistics Program) は、アムステルダム大学心理学部の Eric-Jan Wagenmakers が中心となって開発が進められている統計分析ソフトウェアである(https://jasp-stats.org/)。 分析自体はRをベースにして処理されるようになっている1。 オープンソースであり、誰でも無料で利用できる。 Windows版、Mac版、Linux版が提供されている。 開発のスピードが速く、次々に新しいバージョンが公開されている。

GUIが整っており、プログラミングに関する知識がなくとも分析を行うことができる。 あとで述べるように、分析の実行と結果の出力が同じ画面上で連動するように設計されており、結果を見ながら分析上の様々な微調整を行えるように工夫されており、使い勝手が良い。 また、分析結果がアメリカ心理学会 (American Psychological Association: APA) の投稿フォーマットに準拠した形式で出力されるため、論文に図表を掲載する際に編集の手間を最小限に抑えることができる。

平均やSDといった基本統計量の算出はもちろん、母平均に関する推測(t検定、分散分析)、回帰分析、因子分析、信頼性分析をはじめとして、心理学の研究で一般的に用いられる多くの分析手法をサポートしている。

また、一部の分析に関しては仮説検定にもとづく伝統的な方法に加えて、母集団値について直接的に確率的な推論を行うベイズ流の方法も実行できるようになっている。

Taichi Okumura
2021-06-01